富士山をめぐる「森」と「水」と「時間」の旅

自然の中に隠された無数の不思議を、五感をフル稼働させて一緒に探しに行きませんか。

富士山域の異なる二つの森とそれをつなぐ湖「西湖」を舞台に、壮大なスケールの自然の営みを学ぶ特別な体験プログラムです。

効率の先にある「非効率の楽しさ」を見つけよう

AIが何でも教えてくれ、変わりに何でもやってくれる時代、私たちは答えや結果までを最短距離で進むようになりました。
しかし、その便利さの裏側で、じっくり観察し、自分の頭で考える、そして五感を使って体験してみるという機会が失われつつあります。
このプログラムでは、あえて回り道をしてみます。
効率は悪いかもしれませんが、そこには自分で発見する楽しさがあります。そして、一見無駄に思える時間の中から、新しい発想や感動といった思いがけない宝物が生まれてきます。

知識から体験へ

さあ、スマホを置いて、五感をフル稼働させましょう。
目で見て、耳で聞き、匂いを嗅ぎ、手で触れて、自然の中に隠されたたくさんの不思議を、一緒に探しに行きませんか?

太古から続く自然の物語の中で

体験の舞台の成り立ち
  • 600万~60万年前
    タ南方の島及び伊豆諸島の衝突と御坂山塊(裏山)の誕生 600~60万年前イトル

    かつてこの地は海でした。そこへ南から伊豆諸島が移動してきて日本列島に衝突します。
    そして大地は押し上げられ御坂山塊が誕生したといわれています。

  • 20万~1万年前
    火山群の噴火と富士山の誕生

    箱根火山、愛鷹火山、そして富士山の土台となる古御岳火山が噴火します。
    度重なる噴火により富士山は標高を上げ、約1万年前に現在と同じような姿となりました。

  • 9000~3000年前
    古せのうみの誕生と分断

    富士山の隆起と噴火による溶岩流によって川が堰き止められいくつかの湖が誕生します。
    その湖も幾度もの噴火と地形の変動により分断されたり干上がったりしていきました。

  • AD864年~現在
    西湖と青木ヶ原樹海の誕生

    西暦864年に富士山が再び大噴火を起こします。大量に流れ出た溶岩は「せのうみ」を分断します。
    分断された湖は西湖と精進湖になり、固まった溶岩台地の上には森が形成されていきました。

体験の舞台

ここでは体験の舞台となる三つのフィールドとそれぞれのプログラムを紹介します。

青木ヶ原樹海

富士山の噴火によって流れ出た溶岩流が太古の大きな湖「せのうみ」を分断しました。その溶岩台地の上に形成された特異な森が青木ヶ原樹海です。

御坂山塊

大昔、南からやってきた島がぶつかって隆起した大地は、山となり長い年月をかけて森を形成してきました。その森は豊富な水と沢山の生き物の命を育みます。

西湖

富士山の噴火により流れ出た溶岩は湖を分断し西湖と精進湖を誕生させこの地で止まります。つまりここは富士山から始まった樹海の終着点でもあります。

体験プログラム

①植物たちの生存戦略:青木ヶ原樹海

観察と発見の旅

樹海の大地には土と水がほとんどありません。そんな過酷な環境で、木々はどうやって育っているのでしょうか。一つひとつの疑問を大切にしながら、自然の中に隠された答えを探していきます。

  • 木々はどこから水や栄養をとっているのか
  • なぜ樹海の木は一定の高さで成長を止めるのか
  • 植物たちはどうやって鹿やその他の動物から身を守っているのか
  • なぜくねくねと曲がった木が多いのか
  • でこぼこした地面の秘密とは

発見したことを言葉にする

観察の結果と考えたことを発表し、みんなで共有します。一人ひとりの気づきが集まることで、より深い理解が生まれていきます。

②自然の循環の中で生きる:御坂山塊

水と森の循環を追う旅

自然の中ではすべての生き物が何等かの役割を担いお互いに複雑に関わり合いながら生きています。そしてそれが大きな循環となっています。私たちは再びその循環の中に戻ることができるのでしょうか。森の中では何が起こっているのかをじっくりと観察してみましょう。

  • 落ちた葉っぱはどうなるのだろう
  • 葉っぱの下をのぞいてみよう
  • いろんな木の実を探してみよう
  • 木の実の形を比べてみよう
  • 水はどこから来て、どこへ行くのだろう
  • 湧き水を触ってみよう

五感をフル稼働させる

目でみるだけでなく、匂いをかいだり、触ったりしてみましょう。匂いや肌触りの中にも植物たちの工夫が詰まっています。

③すべてはつながっている:西湖

二つの森をつなぐ旅

富士山の噴火で溶岩が流れ込んでできた溶岩台地と御坂山塊から土砂が流れ込んでできた、湖の中まで続く扇状地。山からの水は湧き水となって湖底から西湖を潤します。そしてその湧き水は奇跡の魚をいわれる「クニマス」生息のカギをにぎっています。

  • 湖上から二つの森の違いを見てみよう
  • 溶岩が流れ込んだ場所はどうなっているだろう
  • 湧き水地帯から水の流れを想像してみよう
  • 湖にいる鳥たちはどのような生活をしているだろう
  • 西湖にはどんな魚がいるだろう
  • 西湖の水を感じてみよう

森からのつながりを感じる

湖上にでて風を感じ、水に触れてみましょう。森からもたらされる水や栄養を頼りに沢山の生き物が暮らしています。実際に森を歩いたあとだと見え方も変わってきているはずです。ここで今回の「森」と「水」と「時間」の旅が完成します。

自然をみる解像度があがると、きっと人生が楽しくなります

このプログラムを通して発見した自然の不思議や感動は、きっとあなたの人生を豊かにしてくれることでしょう。効率を求めがちな日常から少し離れて、ゆっくりと自然と向き合う時間を大切にしてください。
五感をフル稼働させて体験した富士山域の「水」と「森」と「時間」の物語が、これからのあなたの人生に新しい視点をもたらしますように。

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