富士山には川がありません。降った雨のほとんどは溶岩大地に染み込んでいきます。そして広い裾野のあちこちから湧水となって湧き出します。
ここ柿田川湧水群もその一つです。国道一号線に接し、都市の真ん中にある湧水群は周りを潤し、豊かな森を形成しています。公園内ではずっと鳥の声が聞こえています。水が湧いている付近には主のような大きな鯉とカルガモがいました。晩秋には鮎も遡上してくるそうです。一年中15度前後で流れる川には独特の生態系が作られます。湧水の周りには鳥や虫、魚だけでなく人も集まります。日曜の午後、湧水に隣接した公園ではたくさんの人が思い思いに過ごしていました。日本一短い一級河川は1.2キロで狩野川へと合流し、海へと注ぎます。しかし湧き出すまでに富士山の地下を25年以上旅しているのでした。



あちこちから水が湧き出しています。1日約100万トンといわれ日本一の湧水量を誇ります。
水が透明すぎて遠近感がおかしくなってきます。



湧水公園内には木道が整備されています。北麓に住んでいる私には南麓の植生がとても新鮮に映ります。



湧水公園の入り口にはおしゃれなお店が沢山ありました。湧水を使って作った豆腐が名物のようです。湯豆腐や湯葉、豆腐田楽なども食べられるようでした。わたしは豆腐アイスクリームをいただきました。甘さ控えめでしっかり豆腐の味がしました。大人のアイスクリームです。
公園をでて柿田川の下流、狩野川へ合流する場所へと向かいます。



湧水量が多いのがよくわかる流れでした。水の中は透明でどこまでも見えるようです。
狩野川に入ると流れは緩やかになります。カモたちは川の出合いに集まっていました。時間があれば今月末にでも鮎の遡上を見に出かけたいと思っています。


