西湖では桜が満開です。
長い冬を越えた野生動物たちには待ちに待った季節です。
メジロとヒヨドリが桜の蜜を求めて飛び回っています。花には虫たちも集まっています。
命が溢れて賑やかです。


昨夜の強風でずいぶんと枝が落ちました。シカはその枝からでている新芽を食べています。思わぬごちそうにありつけたようです。
樹海ではミツバツツジが咲き始めました。これからしばらくはかわいい紫色が迎えてくれます。
水浴びをしてビショ濡れのヤマガラ、せっせと枯草を運ぶシジュウカラ。
鳥たちにとっては巣作りの季節でもあります。






ふと木の上を見上げると作りかけの巣がありました。大きさと場所から考えるとメジロでしょうか。
よくみると巣の素材にはビニールテープがいっぱい使われています。
軽くて丈夫で、見つけやすいこの素材は、鳥たちには一見「最高の材料」に見えたのかもしれません。
しかし、そこには自然の素材にはない、いくつもの危険が潜んでいそうです。
わたしが思いつくだけでも
・ 強度の高いビニールは、雛の細い足や首に絡まれば自力では外せないでしょう。
・苔や枝と違い、ビニールは水を通さないので、雨が降れば巣の中に水が溜まり、雛の体温を奪ってしまうでしょう。
・ 餌と間違えて食べてしまえば、消化されずに胃にたまり、死に至る可能性もあるでしょう。

このあたりは森が豊かで、枝や苔など巣の材料になるものは豊富にあるはずですが、それでも見つけやすく、軽くて丈夫な「人間の捨てたゴミ」を、効率的で便利という理由で使ってしまうのです。
「ゴミを捨てないように」という言葉は、当たり前すぎて聞き流されてしまいがちです。
けれど、このビニールだらけの巣を見れば、私たちの何気ない行動が、どれほど他の生き物の命を脅かしているかが分かります。私たちはゴミを捨てた結果が見えることで、初めて行動を改められるのかもしれません。
便利だと思って使っているものが、気づかずに命とりになってしまう。
それは、今の時代を生きる私たち人間にも、同じことが言えるような気がします。

